最後の通知

灼けつく夏の夜……。
あなたも、少し背筋を冷やしてみない?
私が語るのは──上京したばかりの大学生に起きた、ひとつの“怪異”の記録。

俺は大学に入って、すぐにできた友達数人とよくつるんでいた。
ある夜、飲み会の帰り道。酔った勢いで、近くの心霊スポットに寄ることになった。廃墟になったトンネルだ。

「マジで行くのかよ」
「大丈夫だって、写真撮って証拠残そうぜ」

俺も調子に乗って、暗闇にスマホをかざした。
その瞬間──トンネルの奥で、人影のようなものが一瞬揺れた気がした。
けれど、酔いのせいだと笑い飛ばした。


翌日からだ。
夜中の2時を過ぎると、スマホが通知音を鳴らすようになった。
開いても通知は残っていない。

最初は気味が悪かったが、だんだん内容が変わってきた。
「起きてる?」
「まだひとり?」

誰かが、俺の部屋を見ているような──そんな言葉ばかりが届く。

そして一週間後の深夜。
通知音が止まらなくなった。
震える手で画面を開くと、メッセージはこう書かれていた。

「あなたの後ろ、見えてるよ」

同時にカメラアプリが勝手に起動し、背後を映し出す。
そこには、暗闇の中で笑う“顔”があった。


……これが、あいつの最後の映像だった。
翌朝、部屋にはスマホだけが残されていて、本人はどこにもいなかった。

いま俺が話したことは、全部そのスマホに残っていた録画を見て知った内容だ。
本当に信じるかどうかは、聞いたあなたに任せるよ。

ただ──昨夜の深夜2時。
俺のスマホにも、同じ通知音が鳴ったんだ。

……ほんの少しは、涼しくなったかしら?
けれど油断しないで。
深夜二時の通知音──もしあなたの耳にも届いたなら、それはもう、物語の外の出来事ではないのだから。

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