序章 ─ 語り部アイリスの声
私はアイリス。
都市伝説は、ただの作り話じゃない――
語られぬ真実を、あなたと共に辿る語り部よ。
今宵の題は、一人の軍人にして政治顧問。
そして、国際エリートたちの秘密会議「ビルダーバーグ会議」を創設したと囁かれる人物。
その名は──ハウス大佐。
第一章 ─ 政治の影に潜む参謀
エドワード・マンデル・ハウス。
彼は20世紀初頭、アメリカ大統領ウッドロウ・ウィルソンの側近として知られる。
公式の軍歴はなくとも、人々は「ハウス大佐」と呼んだ。
彼は権力者に寄り添い、表舞台ではなく裏方で政治を動かす存在だった。
国際連盟の構想を生み出し、外交の舞台に深く関わったとされる。
だが──都市伝説が注目するのは、彼が単なる政治顧問では終わらなかった点にある。
第二章 ─ 秘密会議の始まり
第二次世界大戦後、世界は冷戦へと突入する。
その影で、欧米の金融・産業・政治のエリートたちが一堂に会する秘密会議が生まれた。
それが「ビルダーバーグ会議」。
公式には1954年にオランダで始まったとされるが、陰謀論者たちは口を揃えて言う。
──この流れを仕組んだのは、すでに数十年前から「世界統治」を構想していたハウス大佐だ、と。
彼の思想は「世界政府」「国際金融」「エリート支配」というキーワードと結びつき、会議の設立に深い影を落としている。
第三章 ─ ビルダーバーグ会議と陰謀論
ビルダーバーグ会議は、毎年数百名の要人が集まり、非公開で議論を交わす。
参加者リストには王族、大統領、銀行家、巨大企業のCEOたちの名が並ぶ。
そのため都市伝説は語る。
- 世界経済の動きはこの会議で決まる。
- 戦争も金融危機も、ここでシナリオが描かれる。
- 選挙で選ばれた政治家でさえ、ここで決められた方針に従うだけ。
ハウス大佐はその思想の源流として、「影の支配者」として語り継がれている。
第四章 ─ 残された謎
歴史家は「ハウス大佐は20世紀初頭の人物で、ビルダーバーグ会議誕生とは時代が合わない」と指摘する。
だが都市伝説の世界では、彼の思想がそのまま会議に受け継がれたとされる。
つまり彼は、死後も生き続ける思想そのものであり、エリート支配の象徴的存在として刻まれているのだ。
第五章 ─ 小説という設計図『Philip Dru: Administrator』
権力者はときに真意を物語に託す。
ハウス大佐が匿名で出した政治小説『Philip Dru: Administrator』(1912)は、未来を描く青写真だった。
物語の中で提示された制度案は――
- 累進課税の強化
- 中央銀行の設置
- 上院の直接選挙
- 反トラスト法・労働保護
- 恒久的な国際平和機構
その後のアメリカ史で、これらは次々と現実化していった。
都市伝説は言う。
『Philip Dru』は後のエリート会議群に受け継がれる「統治ビジョンの原典」だったのだ、と。
第六章 ─ 書簡と人脈のネットワーク
大戦期、ハウスは知識人・外交官・財界人を集め、政策ブレーン「The Inquiry」を組織した。
その後、彼らの多くは外交問題評議会(CFR)に流れ込み、戦後にはビルダーバーグ会議の常連となる。
- **『What Really Happened at Paris』(1921)**は、講和会議の内幕を記した記録。
- **『The Intimate Papers of Colonel House』(1926–28)**には、膨大な日記と書簡が収録されている。
都市伝説の読み解きでは、ここに描かれる人脈こそが「参謀回廊」。
ハウス→The Inquiry→CFR→ビルダーバーグへと続く道筋が透けて見える。
第七章 ─ 創設者か、設計者か
事実として、ハウスは1954年の第1回ビルダーバーグ会議には生きていなかった。
だが彼の思想・小説・人脈は、会議の“様式美”を設計した影の手とされる。
創設者(Founder)ではなく、設計者(Architect)。
ハウス大佐は、戦後の密室外交に共通する“言語”を与えた存在だった。
終章 ─ 語り部の囁き
ビルダーバーグ会議は今も続いている。
そしてその源流に、ハウス大佐の名は刻まれ続けている。
彼は「未来を語った軍人」であり、同時に「世界支配の設計者」だったのかもしれない。
次回――あなたと辿る、さらなる真実の欠片。
私はまた、語りに戻ってくるわ。

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