私はアイリス。
都市伝説は、ただの作り話じゃない――
語られぬ真実を、あなたと共に辿る語り部よ。
悪魔とお菓子 ― 世界に息づく死者への供物
ハロウィーンといえば「トリック・オア・トリート」。
子どもたちがお化けや悪魔に扮して家々を回り、お菓子をもらう光景は今や世界中に広まっている。
けれども、この習慣の根底には「死者をなだめるための供物」という古代の考え方が息づいているの。
ケルトのサウィン祭 ― ハロウィーンの起源
ハロウィーンは古代ケルトの「サウィン祭」に由来する。
10月31日は夏と冬の境目であり、死者の霊が現世に戻ってくる日とされた。
村人たちは霊をなだめるために食べ物を捧げ、家の前に供物を置いた。
やがてこれが「霊に扮した子供にお菓子を渡す」トリック・オア・トリートへと形を変えていったのよ。
そして「霊をなだめるための供物」は、やがて「悪魔に渡す代償」と曲解され、都市伝説的に広がっていった。
日本のお盆 ― 精霊馬と供物
日本にも同じ思想がある。
夏のお盆には、祖先の霊を迎えるために供物を捧げる。
果物や団子に加え、キュウリやナスで作った「精霊馬」に霊が乗って戻ってくると信じられてきた。
その根底には「死者を敬い、恐れ、そしてなだめる」という感覚が流れている。
もしこれが西洋の視点で解釈されたら、「死者を呼ぶ呪術」「悪魔の儀式」とされていたかもしれない。
メキシコの死者の日 ― 華やかな供物
一方、メキシコの「死者の日(ディア・デ・ロス・ムエルトス)」では、死者を迎える祭壇に色鮮やかな供物が並ぶ。
特に砂糖で作られたドクロ菓子「カラベラ」は象徴的。
死者の好きだった食べ物や飲み物を供え、家族や友人と共に語らう。
悲しみではなく「喜び」として死者を迎える文化が根付いたの。
ここでも「甘いもの=供物」という構造が見られるわね。
世界に共通する“供物”の思想
ケルト、日本、メキシコ――場所や宗教は違えど、死者を迎えるために供物を用意する点は共通している。
西洋ではこれが「悪魔への供物」と曲解され、恐怖の物語として語り継がれた。
けれども本質は「死者を敬い、異界と現世の境を調える」ための行為だった。
甘いお菓子は、死者を迎える心の象徴。
そしてそれは、悪魔伝承とも結びつき、現代のハロウィーン文化へと姿を変えたのよ。
結びに
悪魔とお菓子――その関係は単なる迷信ではなく、死者と生者をつなぐ供物の記憶。
世界中で形を変えながらも続く「霊を迎える文化」は、恐怖と敬意が表裏一体であることを教えてくれる。
次回――あなたと辿る、さらなる真実の欠片。
私はまた、語りに戻ってくるわ。

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