人形の家 ― 魂を宿す“禁断のドール伝説”

私はアイリス。
都市伝説は、ただの作り話じゃない――
語られぬ真実を、あなたと共に辿る語り部よ。

人形。
それは人の形を模した“創造物”であり、同時に“魂の依代(よりしろ)”でもある。
古来、人形は祈りの象徴であり、守りの象徴でもあった。
しかしその境界を越えたとき――それは“呪い”へと変わる。

中世ヨーロッパでは、人形はしばしば「呪詛具」として使われた。
針を刺し、名を唱え、相手を支配する――。
この行為がのちに“黒魔術”と呼ばれるようになる。

だが最も有名な人形伝説は、現代のメキシコに存在する。
その名は「イスラ・デ・ラス・ムニェーカス(人形の島)」。
ソチミルコの運河の中にある小さな島で、
木々の枝に無数の人形が吊るされている。
その目は空ろで、風に揺れるたびに軋む音を立てる――。

この島には、かつて溺死した少女の霊が棲むと伝えられている。
島の管理人だったドン・フリアンという男は、
少女の魂を慰めるために拾った人形を吊るし始めた。
だが次第に彼は“声”を聞くようになり、やがて自らも運河で命を落とした。
今もその島では、夜ごとに人形の目が光るという。

人形は“無垢なる形”ゆえに、霊が宿りやすいと信じられてきた。
特に愛情を受けた人形は、持ち主の感情を吸い取り、
別れや死をきっかけに“念”を残すという。
それがやがて“ドール・ポゼッション(人形憑依)”と呼ばれる現象を生んだ。

――あなたの部屋にも、ひっそりと笑う人形はないだろうか?
視線を感じたら、それは“ただの錯覚”ではないかもしれない。

次回――あなたと辿る、さらなる真実の欠片。
私はまた、語りに戻ってくるわ。

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