「私はアイリス。
都市伝説は、ただの作り話じゃない――
語られぬ真実を、あなたと共に辿る語り部よ。」
1981年、アメリカ・オレゴン州ポートランド。
ある街のゲームセンターに、突如として現れたアーケード筐体。
その名は――「POLYBIUS(ポリビウス)」。
黒い筐体、無機質なタイトルロゴ、そして一度遊んだ者は口を閉ざす。
プレイした少年たちは頭痛や不眠、幻覚、記憶障害を訴えたという。
やがて彼らの前に現れたのは“黒服の男たち”。
データを採取し、翌日には筐体も彼らも消えていた。
これは1980年代アメリカで語られた最も有名なゲーム都市伝説。
“政府が開発した心理操作マシン”――
そう呼ばれることもある。
この物語が広まったのは2000年代初頭、
インターネット掲示板「CoinOp.org」に投稿された一本の記事がきっかけだった。
その内容は奇妙なまでに具体的で、
筐体のデザイン、プレイ映像、設置店の地名、すべてが「ありそう」なリアリティを持っていた。
人々は掲示板で情報を集め、再現動画を作り、
誰かが「実物を見た」と語るたびに熱は高まっていった。
やがてYouTubeやRedditでも議論が拡散し、
“存在しないゲーム”は確かに“存在したかのように記憶される”幻影へと変わった。
その背景に浮かび上がったのが、CIAのMKウルトラ計画。
1950年代から実際に行われていた洗脳・薬物・心理操作の極秘実験。
それがゲームという形で続行されていた――という仮説は、
あまりにも“現実味”を帯びすぎていた。
ポリビウスは本当に存在したのか?
証拠は一つもない。だが、誰もがその映像を「頭の中で再生できる」。
つまりそれは、人類最初の“デジタル幻覚”だったのかもしれない。
この都市伝説の核心は、恐怖でも陰謀でもない。
それは、“人間の想像力”の集合体。
誰かが作り、誰かが信じ、誰かが語り継ぐ。
その連鎖が、一つの「存在」を生み出した。
ポリビウスとは、
「信じた者の数だけ現実になる」――
デジタル時代の神話そのものなのだ。
「次回――あなたと辿る、さらなる真実の欠片。
私はまた、語りに戻ってくるわ。」

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