「私はアイリス。
都市伝説は、ただの作り話じゃない――
語られぬ真実を、あなたと共に辿る語り部よ。」
第1章 “世界で最も邪悪な男”
20世紀初頭、イギリスに一人の奇人が現れた。
名は――アレイスター・クロウリー。
詩人であり、登山家であり、そして魔術師。
彼は自らを「獣666」と名乗り、神の秩序を逆転させる思想を広めた。
新聞は彼を“世界で最も邪悪な男”と呼び、教会は彼を「現代のルシファー」と恐れた。
第2章 Thelema ─ 意志の魔術
クロウリーが掲げた教義は「Thelema(セレマ)」と呼ばれる。
その中心にあるのは、たった一つの言葉。
“Do what thou wilt shall be the whole of the Law.”
(汝の意志を行え、それがすべての法である)
この思想は、善悪や道徳を超越し、
「人間が神に取って代わる」という危険な哲学だった。
それはファウストが求めた「知の極み」と同じ――
“禁断の知識”への渇望だったのかもしれない。
第3章 黄金の夜明け団と秘密の儀式
クロウリーはイギリスの秘密結社「黄金の夜明け団(Golden Dawn)」に加入。
その後、東方聖堂騎士団(O.T.O.)を通じて、
古代エジプト神話とカバラを融合させた新しい魔術体系を築き上げた。
儀式には性的要素、血の誓約、天使言語“エノク語”が用いられたとも言われる。
彼は神と悪魔の境界を越え、“創造主の真似事”を試みたのだ。
第4章 現代に息づく“クロウリーの呪文”
クロウリーの思想は死後も消えなかった。
ロックバンド「レッド・ツェッペリン」のジミー・ペイジは
彼の邸宅を購入し、ステージで魔術儀式を模した演出を行った。
ビートルズ、ボウイ、オジー・オズボーン……
彼を引用したアーティストは数知れない。
クロウリーは“悪魔崇拝者”としての象徴を超え、
「自由と力の象徴」として、ポップカルチャーに息づいている。
第5章 人間の中にある“悪魔”
クロウリーはこう言い残している。
「私は悪魔ではない。神の影を覗いた人間だ。」
彼の生涯は、信仰と傲慢、光と闇の狭間を行き来する旅だった。
そして今もなお、彼が蒔いた思想の種は、
この世界のどこかで芽吹き続けている。
「次回――あなたと辿る、さらなる真実の欠片。
私はまた、語りに戻ってくるわ。」

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